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大江 俊昭*; 若杉 圭一郎
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 24(1), p.27 - 32, 2017/06
地層処分におけるガラス固化体の溶解寿命を再評価した。我が国での地層処分の技術的可能性を論じた報告では、時間と共に処分温度が低下することや表面積が減少することなどを無視しているため、ガラス固化体の溶解寿命は約7万年と過小評価されている。しかし、これらの変化は物理的に確実に起こるものであるので、これらを無視せずに再評価を試みた。表面積の変化を考慮するために亀裂を有するガラス固化体を3つのモデル、すなわち、単一平板、単一粒径の小球群、べき乗粒径分布を持つ小球群、で表現した。すべてのモデルの全体積は円柱状のガラス固化体と同じで、製造時の割れを考慮して全表面積は円柱状のそれの10倍とした。寿命評価の結果、初期量の50%が溶解するまでの時間は、3つのモデルとも10万年を超え、溶解寿命は26-70万年となった。これから、従来の評価ではガラス固化体が核種を保持する能力が過小評価されていることが判った。